名古屋市女子大生誘拐殺人事件の比較 P4(死刑執行)

死刑執行
1995年12月21日午前、木村は収監先の名古屋拘置所にて、法務省(法務大臣:宮澤弘)の発した死刑執行命令により、死刑を執行された[報道 1]。45歳没[報道 1]。同日には東京拘置所・福岡拘置所でも、それぞれ1人ずつ死刑囚に対し、刑が執行された[報道 1]。

木村の処刑を知ったA子の父親は、『中日新聞』記者に対し「もっと早く執行すべきだった」「死刑廃止論は出鱈目だ。死刑制度がある以上、死刑は確定から速やかに執行すべきだ」と思いを吐露した[報道 1]。その上で、成人式の時に買った振袖などを処分した以外、娘の部屋は事件当時のまま、趣味の登山用品も大切に保管していることについて触れ「娘が生きていれば、今頃は孫を連れて遊びに来ていただろう」と無念の思いを語った[報道 1]。そして、報道陣に対しては「木村も誰かに相談していれば、娘を殺さずに済んだ。犯罪を犯せば、被害者本人だけでなく、自分や被害者の親兄弟、親類にまで物凄く迷惑がかかる。犯罪に走る前にそれを考えなければいけない。悩みを一人で考えず、誰かに相談すべきだ」と語った[報道 1]。

一方、死刑廃止を求める市民団体「死刑廃止フォーラム inなごや」は23日、拘置所近くにある名古屋市東区白壁の名古屋聖マルコ教会で会見し、宮澤法相と名古屋拘置所長宛てに、それぞれ抗議文を送付することを明らかにした[報道 21]。抗議文の内容は、木村が獄外との通信を巡る訴訟を継続中だったこと、生きて償うことを願って恩赦出願中だったことを挙げた上で「これらに決着を付けずに処刑したことは、人間の尊厳への冒涜だ」「死刑によって償いの機会を永遠に奪うことがあってはならない」というものだった[報道 21]。教会ではこの日の午後、各地の死刑廃止運動関係者ら約70人が参列し、木村の葬儀が営まれた。

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